シンプルなルールでアトピーのかゆみと付き合おう

アトピー歴25年、人生の大半はアトピーとともに過ごしてきました。

思えば、かゆみを感じない日はなく、特に幼いころはいつもどこかをかきむしっていたように思います。

アトピーの患者さんの多くは膝裏やひじの内側に湿疹が出来やすいと思いますが、私もそうでした。

特に膝裏の湿疹は、かきむしりすぎて赤く分厚く腫れて、熱を持つこともありました。

その他、手の指と指の間や首に湿疹ができたこともあります。

母親もそんな私の治療に躍起になり、様々な治療法を試しました。

まず、アロエです。

アロエの葉肉を患部に貼るといい、と聞くなり私をうつぶせにして膝裏にアロエを貼りつけました。

しかし、全く効果はありませんでした。

次に、塩です。

あら塩を患部に刷り込んで消毒する、という荒療治でした。

これはかきむしった傷口に染みて、当時小学生低学年だった私はサイレンのように泣き喚いたことを覚えています。

ただ恐怖心を覚えただけでこれも無駄に終わりました。

次に、純水です。

浄水器を通してきれいにした水を1日2リットル飲み、たくさんトイレにいくことで体の毒素を出すという方法でした。

今でいうデトックスですね。

しかし、純粋デトックスも効果なし。

1人で2リットルの水を飲むこと自体大変ですし、何より子どもは「水」にさほど魅力や効果を感じません。

これもまったく功を奏さず、母親はがっくりと肩を落としていました。

同じクラスにいたアトピーの男の子が顔に湿疹が出来たことを理由にからかわれている、という出来事もあり、母親は私のアトピーに対して神経質になっていたのだと思います。

とにかく私は汗や砂埃に弱く、外で体育の授業をしようものならすぐに患部をかいてしまいました。

そんな私に、母親は「とにかくかゆいところをきれいにしよう」「かゆくなったら冷やそう」と提案しました。

いろいろ小難しい理由のついた様々な治療に失敗したことでシンプルな方向に路線変更したのです。

体育の後は外の水道で洗う。

時間がなさそうなら濡れたタオルで優しく拭く。

かゆくなったら、持参した保冷材を患部にあてておく。

母は、保冷バッグに保冷材とタオルとビニール袋を入れ、「アトピーセット」として私にくれました。

かゆくなったらかいてしまう、かくと余計かゆくなる、かゆくなるとイライラする、イライラがストレスになりさらにかゆくなる、というドツボにはまると子どもは自分をコントロールできなくなってしまいます。

私自身もその状態でした。

理不尽なかゆみといらだちに泣いて、学校の先生を困らせたこともありました。

しかし、母のくれた「アトピーセット」と「きれいにする」「かかずに冷やす」というシンプルなルールのおかげで、かゆいときどうしたらいいかがはっきりし、そのおかげで、自分でケアをする落ち着きを得ることができました。

この習慣は成人してからのセルフケアにも役立っています。

子どものアトピーは子ども自身も、見ている大人にとってもつらいものです。

アトピーが完治するのも時間がかかります。

シンプルなルールを作り、自分で何とか出来た、という経験を持たせてあげると、その後もアトピーと上手く付き合っていけるのではないか、と思います。

(静岡県 椎名さん)




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